■ 住宅ローンのボーナス払いの損得は?

■ 住宅ローンのボーナス払いの損得は?

さて今回は、住宅ローンに関する知識をお伝えする賢い家づくりシリーズです。【ボーナス払い】についてお伝えします。

◆住宅ローンはボーナス払いとは?

住宅ローンを借り入れる際、金融機関からボーナス払い(ボーナス返済)の利用をすすめられるケースがあります。ボーナス払いとは、毎月の返済額に加えて、年2回のボーナス月に一定額を追加で返済していく方法のことです。通常は住宅ローンの契約時に、ボーナス払いの有無と、借入額に占める割合を決めます。

  • 毎月の返済額+ボーナス払い=総返済額(借入額+利息)

たとえば、3,000万円の借り入れで、ボーナス払いの割合を20%にする場合、元本600万円分がボーナス払いとなります。具体的な返済額をシミュレーションすると、金利1.3%のフラット35(固定金利)で35年のローンを組んだ場合、総返済額は3,769万6,486円(融資手数料32万4,000円を含む)。毎月の返済額は7万1,155円、ボーナス払い分が10万6,961円になる計算です。

年に2回のボーナス月のみ、通常の返済に加え10万円ほど多めに返済することがわかります。ちなみに、ボーナス払いの割合には金融機関によって上限が設けられており、最大で40%から50%程度です。

  • 住宅ローンのボーナス払いは「損」なの?

ボーナス払いはひろく普及している住宅ローンの返済方法ですが、

「ボーナスが毎年きちんと出るかどうかわからない」

「転職や独立をしてボーナスがもらえなくなるかもしれない」

などの理由から、現在は積極的に選択しない人も増えています。事実、ボーナス払いにはデメリットがあり、それを把握しないまま選択すると、返済スタート後に後悔することにもなりかねません。

一方でボーナス払いに一定のメリットがあることもまた事実です。そのため、必ずしも「ボーナス払いは選ぶべきでない」と判断してしまうことも早計でしょう。そこで今回は「住宅ローンのボーナス払い」をテーマに、メリットとデメリットをお伝えします。「返済中にボーナス払いをやめることはできるのか?」といった疑問についても、お伝えしてまいります。

◆住宅ローンをボーナス払いにすることはデメリットのほうが大きい?

まずは、住宅ローンのボーナス払いについて、気になるデメリットから見てみましょう。

  • 住宅ローンボーナス払いのデメリット!

  1.  総返済額が増える!
  2.  住宅ローンを滞納するリスクが高まる!

ボーナス払いのデメリットとして最初に知っておきたいのは、トータルの返済期間で見た場合、ボーナス払いを利用すると、総返済額が増えることです。たとえば、3,000万円を借り入れてボーナス払いをした場合としなかった場合を比較してみると、ボーナス払いをしたほうが、総返済額が1万5,922円増えていることがわかります。

★ボーナス払いの有無で「毎月の返済額」を比較!

【借り入れ3,000万円、返済期間35年、全期間固定金利1.3%の場合】
項 目

ボーナス払いあり

(600万円)

ボーナス払いなし 差異
総返済額

3,769万6,486円

(融資手数料含む)

3,768万564円

(融資手数料含む)

+15,922円
毎月返済額 7万1,155円 8万8,944円 -17,789円
ボーナス払い 10万6,961円 + 106,961円

 総返済額が増えるのは、住宅ローンの利息が、毎月の住宅ローン残高をもとに計算されるためです。ボーナス払いをなくすと、毎月の返済額が増える(7万1,155円→8万8,944円)ため、そのぶん、元本の返済も早くすすみ、結果的に総返済額が抑えられることになります。

その一方で、今回のシミュレーションのように、35年間で1万5,000円程度の増額であれば、1年間の増額幅は450円ほどであり、それを上回るメリットがあるならば許容範囲と考えることもできるでしょう。総返済額の増額幅は、借入額や住宅ローンの金利、返済期間によって変動するため、ご自身のケースでシミュレーションし、増額幅を確認したうえで判断することをおすすめします。

ボーナス払いのもう一つのデメリットは、ボーナスが減額されたり、支給されなくなったりした場合に、家計のリスクが高まる点です。ボーナスとは、給与のように支給が確約されたものではなく、景気の動向、会社の業績などに応じて支給の有無や支給額が変動します。

たとえば、転職の直後はボーナスの支給対象からはずれるケースも少なくありません。また、独立や起業をした場合も、ボーナスとは無関係になることが多いでしょう。支給が不安定なボーナスを前提として返済計画を立てることで、万一、ボーナスが減額・ストップした場合、住宅ローンの返済が厳しくなる可能性が出てきます。

住宅ローンを長期にわたって滞納すると、最悪の場合は、家を手放すことになりかねないため、ボーナスを当てにした返済計画を立てる際は、

「もしもボーナスがなくなった場合はどのように対処していくか?」

という視点が不可欠です。

◆住宅ローンボーナス払いにメリットもある!

それでは、ボーナス払いのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

  • 住宅ローンをボーナス払いにする場合のメリット!

  1. 毎月の返済額を減らせる!
  2. 月々の返済額が同じであれば、返済期間を短縮できる

ボーナス払いの最大のメリットは、月々の返済額を抑えられる点です。3,000万円を借り入れるケースで、ボーナス払いをした場合としなかった場合を比較すると、ボーナス払いをしたほうが、毎月の返済額は1万7,789円少なくなっています

★ボーナス払いの有無で「毎月の返済額」を比較!

【借り入れ3,000万円、返済期間35年、全期間固定金利1.3%の場合】
項 目

ボーナス払いあり

(600万円)

ボーナス払いなし 差異
総返済額

3,769万6,486円

(融資手数料含む)

3,768万564円

(融資手数料含む)

+15,922円
毎月返済額 7万1,155円 8万8,944円 -17,789円
ボーナス払い 10万6,961円 + 106,961円

月々の返済額が少なくなれば、家計に余裕が生まれて助かる、というご家庭は多いはず。住宅ローンのしくみ上、ボーナス払いの割合を高くすればするほど、月々の返済は抑えることができます。ただし、年に2回のボーナス月は、別途、ボーナス払い分を返済する必要があります。総返済額が減っているわけではない点には注意しましょう。

ボーナス払いのもう一つのメリットは、月々の返済額が同じであれば、ボーナス返済を利用することで返済期間を短縮できる点です。毎月の返済に、ボーナス時の返済も加わるため、早めに住宅ローン残高を減らせることが、その理由です。

ただし、前述の通り、ボーナスは会社の業績に連動するため、返済期間中ずっと安定して支給されるかどうかは不透明です。

返済期間の短縮(=住宅ローン利息の軽減)を目的とする場合は、「繰り上げ返済」を利用する方法もあります。繰り上げ返済であれば、余裕のあるときに多めに返済し、家計が逼迫している時期は毎月返済のみにするなどのコントロールも簡単です。近年は繰り上げ返済手数料が無料で、インターネットから1円単位で手続き可能な金融機関も増えているため、ボーナス払い以外の選択肢として一部繰り上げ返済があるということを覚えておくと良いでしょう。

◆住宅ローンのボーナス払いがきついと思ったら途中で変更できる?

ボーナス払いの併用中に返済がきつくなった場合は、住宅ローンを返済している金融機関に相談することで、ボーナス払いの金額の変更や、ボーナス払いそのものをとりやめることができます。これを「条件変更」といい、ボーナス払い以外にも、「元利金等返済と元金均等返済の変更」や、「毎月の返済日の変更」などが可能です。

フラット35をはじめ、多くの金融機関が住宅ローンの条件変更に対応していますが、なかには、すぐに条件変更ができない場合や、条件変更の内容に応じて手数料がかかる場合もあるため、事前に確認をしておきましょう。

  • 住宅ローンの条件変更を考えるときは、借り換えについても検討してみよう!

なお、条件変更をする際に、あわせて考慮したいのが、他の金融機関へ借り換えたほうが有利にならないか?という視点です。現在、借り入れている住宅ローンの金利と、他行の金利を比較して、より金利の低い金融機関へと借り換えられれば、総返済額を圧縮することができます。ほとんどの金融機関が、ホームページなどに借り換えシミュレーションを公開しているため、気になる金融機関が見つかった際は、利用してみると良いでしょう。

◆まとめ!

住宅ローンの返済方法を考えるとき、ボーナス払いを併用するかどうかは、多くの方が悩むポイントです。

今回、お伝えしたように、ボーナス払いには

  • 「総返済額が増える」
  • 「ボーナスが減る可能性や、もらえなくなる可能性がある」

というデメリットが存在する一方で、

  • 「毎月の返済額を減らせる」
  • 「同じ返済額であれば、返済期間を短縮できる」

というメリットもあります。

住宅ローンを借り入れる際は、これらのメリットやデメリットをしっかり理解し、ご自身の借入額や返済期間でシミュレーションをしたうえで、ボーナス払いの有無を決めましょう。

なお、住宅ローンでは、「繰り上げ返済」をすることで、ボーナス払いと同様のメリットを受けることも可能です。すでに住宅ローンを返済中で、ボーナス払いを変更したい方であれば、同時に金利の低い住宅ローンへの借り換えを検討するのも賢い方法です。さまざまな住宅ローンの知識を総動員し、ご自身の返済計画とライフプランに合わせた住宅ローンを選びましょう!

それでは、また!!(お元気でステキな一日をお過ごしください(^^♪)

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木内 淑規

1962年(昭和37年)徳島県徳島市生まれ。血液型O型。地場の自動車ディーラー株式会社ホンダクリオ徳島にて、営業・マーケティング・支店運営責任者を歴任。米国の先進的営業手法教育プログラムPSS(プロフェッショナル・セリング・スキル)を体得し、商圏が小さいにもかかわらず大都市圏の強敵ライバルを抑え、中四国地域販売台数トップセールスに5年連続輝く。平成2年家業大表建設株式会社(現社名:ダイヒョウ株式会社)に転職。専務取締役歴任後、代表取締役に就任。平成10年インターネットに出会い、日興証券のエンジェルキャピタルを得た株式会社アルファベティックアクション(現在、株式会社KSKアルパ)のシステム開発に参画する。以降、インターネットマーケティングの研究と各種携帯電話ソリューション事業を展開。2005年11月に、高齢者向け賃貸住宅コンサルティング、アパマン経営コンサルティングなどの各種コンサルティング事業を手がける有限会社ウェルライフ徳島を設立。同、代表取締役に就任。現在、全国のクライアントの個別コンサルティング及び小口不動産ビジネススキーム構築のために全国行脚を積極的に展開中。 家族は4歳年下の妻と一女二男と犬2匹。

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