■「住宅ローンの繰り上げ返済」の方法!

■「住宅ローンの繰り上げ返済」の方法!

さて、今回の賢い家づくりは、「住宅ローンの繰り上げ返済」についてです。

◆繰り上げ返済は、住宅ローンの返済開始後がもっとも効果が高い!

そもそも繰り上げ返済とはどういうことなのか。

住宅ローンを借りる際、何年間で返済を終わらせるかを決めますが、同じ金額を同じ金利で借りたとしても、返済期間が短ければ、毎月の返済額の負担は重くなります。そのため、できるだけ長期で借りて毎月の返済額を抑えるというプランが主流になっています。

  • たとえば、借入金額3,000万円、金利1.31%とした場合、毎月返済額と総返済額は次のようになります!(※元利均等、全期間固定、毎月返済のみ)

返済期間 毎月返済額 差異 総返済額 差異
25年返済 11万7,321円 +28,233円 3520万円 ±0円
30年返済 10万823円 +11,735円 3630万円 +110万円
35年返済 8万9,088円 ±0円 3742万円 +222万円

しかし、長期で返済すれば、その分、支払う利息も多くなり、総返済額では短期の返済よりも多くなります。そのため少しでも利息を減らしたいということで、まとまった資金ができたときに、繰り上げ返済を行い、借入元本を減らすのです。こうすることで、その元本分の利息は支払わなくて済むうえ、返済期間も当初より短縮することができるのです。最近は、定年退職前までにローンの返済を終わらせたいと考える人も増えています。では、繰り上げ返済による、利息の軽減と返済期間の短縮は、どの程度期待できるのでしょうか?

  • 借入金額3,000万円、金利1.31%、返済期間35年、1年後に100万円を繰り上げ返済すると?

総返済額 3,742万円 3,687万円  
支払利息 742万円 687万円 (55万円の軽減)
返済期間 35年 33年7カ月 (1年5カ月短縮)

となります。繰り上げ返済の時期が早ければ早いほど、資金が多ければ多いほど、利息は軽減し、期間短縮効果は高くなります

しかし、実際には、毎年100万円繰り上げ返済できる人はそう多くはありません。1年に1回50万円、3年に1回100万円などまとまった資金が貯まったら繰り上げ返済を行う人が多いそうです。あるいは、1万円でも繰り上げ返済したいなら、対応可能な銀行もありますので、毎月こまめに繰り上げ返済することもできるようになっています。では、どんな返し方をするのが、おトクなのか、具体的にみていくことにしましょう。

 ◆利息の軽減効果は「マメに返す」ほうが、オトク?

借入金額3,000万円、金利1.31%、35年返済の場合で、比較してみます。1年に50万円、3年続けて繰り上げ返済する「マメ派」と、3年後に150万円を繰り上げ返済する「おまとめ派」どちらが有利になるでしょう

  • 【マメ派】繰り上げ返済総額 150万円(1回50万円×3年)

総返済額 3,742万円 3,664万円  
支払利息 742万円 664万円 (78万円の削減)
返済期間 35年 32年11カ月 (2年1カ月の短縮)
  • 【おまとめ派】繰り上げ返済総額 150万円(返済開始3年後にまとめて1回)

総返済額 3,742万円 3,667万円  
支払利息 742万円 667万円 (75万円の削減)
返済期間 35年 32年11カ月 (2年1カ月の短縮)

マメ派のほうが、支払利息では3万円ほどオトクですが、返済期間短縮効果は同じ2年1カ月という結果になりました。これは、金利が1.31%という前提のためで、金利が高ければ、マメ派の繰り上げ返済効果は、より高くなります。また完済するまで定期的に繰り上げ返済をしていけば、やはり利息の軽減効果は高くなります

しかし、現在の住宅ローンは、かなりの低金利です。マメに繰り上げ返済しなくては!と焦らなくても、現時点での金利であれば、まとまった資金ができたときに繰り上げ返済をしても、それほど大きな差が出ないでしょう。

◆金利差が1%以上あるなら、繰り上げよりも借り換えを!

仮に1.31%で繰り上げ返済の効果を計算しましたが、2013年以前の「フラット35」の金利は2.0~3.0%程度です。現在と1%程度の差がありましたもしも現在の金利水準より1%程度高い金利で住宅ローンを借り、繰り上げ返済を考えているなら、繰り上げ返済よりも借り換えをするべきでしょう。

  • 金利2.5%、借入金額:3,000万円、35年返済の場合

毎月返済額:10万7,000円、総返済額:4,504万円となりますが、5年後の残債:2,715万円を、金利:1.5%、30年返済で借り換え、毎月返済額:9万3,700円、借り換え後の総返済額:3,374万円、当初5年分の返済額:642万円、総返済額:4,016万円となり、当初の総返済額からは、488万円も浮かせることができるのです。

さらに、借り換えのときに、25年返済で組み直せば、毎月返済額:10万8,600円、借り換え後の総返済額:3,258万円、当初5年分の返済額:642万円、総返済額:3,900万円。毎月の返済額は、現在より少し増えますが、総返済額では604万円も浮かせることができるのです。

ローンの借り換えでは、登記費用などの諸費用がかかりますが、それを持ち出したとしても、利息軽減効果は非常に高いといえます。

◆繰り上げ返済の手数料には注意が必要!

繰り上げ返済をする際に注意したいことが3点あります。

  • まずは、手数料です!

繰り上げ返済するときには、基本的に手数料がかかります。最近はインターネットでの申し込みの場合は無料とする金融機関が増えています。例えば、三菱UFJ銀行ではネット申し込みなら、どの金利タイプでも無料です。電話5,500円、窓口1万6,500円(いずれも税込み)となっています。おおむね、ネット申し込みは無料、窓口を利用すると手数料がかかるケースが多いので、何度も繰り上げ返済をする場合は、事前に手数料をチェックするようにしましょう。

  • 次に、繰り上げ返済をして、住宅ローン控除が使えなくなるケースです!

住宅ローン控除の適用条件に、返済期間が10年以上というものがあります。繰り上げ返済を頑張って、残りの返済期間が10年をきると、その時点で住宅ローン減税を受けられなくなります。逆に、繰り上げ返済をすることでローン残高が減り、住宅ローン減税で戻ってくるお金が減るから、住宅ローン減税の適用期間が終了する10年後に繰り上げ返済したほうがトクという考え方もあります

しかし、いずれの場合でも、本人の所得税額、住宅ローンの借入額、金利などの条件によって、結果は違ってきます。一概にどうするのが、おトクとはいえません。金融機関のシミュレーションなどを使って、自分の場合はどちらがおトクなのかを検討する必要があるでしょう。

  • 最後にもう1点です!

繰り上げ返済は、あくまでも余裕資金で行うことです。子どもの教育費の目途は立っている、生活費の予備費は準備できているというのなら、余裕資金を繰り上げ返済に回すのもいいのですが、あてにしていたボーナスが減ってしまった、収入が思ったほど上がらなかった、そんなケースが想定される場合は、無理をして繰り上げ返済せず、手元資金として運用しておくほうが賢明かもしれません。できるだけ早く返してしまいたい住宅ローンですが、繰り上げ返済で家計が回らなくなってしまっては元も子もありません。さまざまな観点からシミュレーションして、慎重に行うように心がけてください。

それでは、また!!(今日もお元気で、ステキな一日をお過ごしください(^^♪)

 

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木内 淑規

1962年(昭和37年)徳島県徳島市生まれ。血液型O型。地場の自動車ディーラー株式会社ホンダクリオ徳島にて、営業・マーケティング・支店運営責任者を歴任。米国の先進的営業手法教育プログラムPSS(プロフェッショナル・セリング・スキル)を体得し、商圏が小さいにもかかわらず大都市圏の強敵ライバルを抑え、中四国地域販売台数トップセールスに5年連続輝く。平成2年家業大表建設株式会社(現社名:ダイヒョウ株式会社)に転職。専務取締役歴任後、代表取締役に就任。平成10年インターネットに出会い、日興証券のエンジェルキャピタルを得た株式会社アルファベティックアクション(現在、株式会社KSKアルパ)のシステム開発に参画する。以降、インターネットマーケティングの研究と各種携帯電話ソリューション事業を展開。2005年11月に、高齢者向け賃貸住宅コンサルティング、アパマン経営コンサルティングなどの各種コンサルティング事業を手がける有限会社ウェルライフ徳島を設立。同、代表取締役に就任。現在、全国のクライアントの個別コンサルティング及び小口不動産ビジネススキーム構築のために全国行脚を積極的に展開中。 家族は4歳年下の妻と一女二男と犬2匹。

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